木札の作り方5〜研磨

木札の作り方5〜研磨

さて、仕上げの研磨です。

 

整型時にも研磨は行いますが、ここでは主に木札に光沢を出すための研磨を行います。

 

自分で作ってみよう

ここでは「整型」時のような「削る研磨」は禁物です。せっかくのサイズ・形が崩れてしまっては全ての工程がバーです。よってサンダー等の電気工具は極力使わず、ペーパーがけする場合も番手の細かいものを使い、木札がほとんど削れない研磨をしなければなりません。具体的には、ペーパーは#400番手かそれより細かいもののみを使用しましょう。この辺りの番手のペーパーで研磨をすると、木札の樹種によっては材面が光沢を帯びてきます。ザラザラ感の残っていた木肌が、ツルっとしてきます。中にはギラギラまばゆいばかりに光沢を放つ樹種もあります。この工程が一番、やっていて達成感のある工程です。

札工房ではこうして作る

整型時にも研磨は行いますが、彫刻と穴開けが終わった後にも再度、仕上げの研磨を行います。「だったら後でまとめて研磨すればいいじゃん!」と思われるかもしれませんが、そうはいかないのです。彫刻前に整型をキッチリ出来ていないと、彫刻する際の位置決めが正しく行えません。穴開けの際に自作のガイドへのセットが正確に行えません。やはり彫刻や穴開けに先駆けて、完成品の形・サイズにきっちり仕上げておく必要があるのです。

 

では逆に、彫刻前に完璧に研磨を仕上げるのなら、彫刻・穴開けが終わればそれで完成でいいんじゃないか。そう思われる方もおられるでしょう。ところが、そうもいかないのです。彫刻を施した後、木肌は少し荒れてしまっています。穴開けをするとその周辺が毛羽立つこともあります。レーザー彫刻をした場合、「焼き」による彫刻を施したことになるので、その彫刻面には木材が焼けた後の「スス」が残っています。木札を首からぶら下げた方が、そのススで服を汚してしまうようなことが起きないために、レーザー彫刻後は彫刻面を水拭きします。木肌は水に濡らすと研磨面が荒くなります。せっかくツルツルのピカピカにしていても、水拭きによって光沢は半減しています。これを再度元のツルツルピカピカに戻すためにも、仕上げ研磨は必要なのです。

 

加えて、彫刻した文字や絵柄の「角」があります。木札の12辺と8つの頂点は整型工程で丸めますが、レーザー彫刻した後の文字のカット跡はどうでしょう。いくら木札の角を丸めて耐久性を高めても、レーザーカット跡が鋭角なままでは、彫刻した文字に服の繊維が引っ掛かって彫刻文字が破損してしまいます。これを防ぐためには彫刻後の工程にて彫刻面の研磨もしてあげないといけないのです。黒檀種のように、彫刻した時点で自然に角が丸くなる樹種もありますが、ほとんどの樹種では彫刻跡は鋭角な仕上がりになっています。鋭利な彫刻は、イコール精細な彫刻でもありレーザー彫刻の利点でもあるのですが、同時に耐久面ではデメリットでもあるのです。この場面では、平面的な研磨をしてしまうペーパー研磨ではなく、彫刻面に入り込んで立体的に丸めてくれるスポンジ研磨剤を使います。

 

より丁寧に無駄と思われる工程もしっかりこなすことで、極上の仕上がりの木札が完成します。